母乳と食べ物の関係は間違いが多い?母乳のお話

こんにちは!
助産師さきです。


ママの食べ物によって母乳の質が悪くなるとか、母乳がまずくなるとか、おっぱいが詰まるからコレは食べちゃダメとか…


母乳と食事に関する話ってインターネット上では様々なことが書かれているのですが、その多くは間違いです。


しなくてもいい食事のガマンでストレスにならないように…今回は「母乳と食事の関係」についてお話させていただきます。



【おっぱいが詰まるから、甘いものは食べちゃダメ!?】


そんなことはありません!


乳頭に近い乳管(母乳の通り道)と母乳の脂肪球は大きさが約300倍も違うので、理論上は詰まることはないというのが最新の考えです。


甘いものや脂肪が多いものを食べても、母乳の中の脂肪球は巨大化したり脂肪球同士がくっついたりすることはありません。


日本助産師会が発行している乳腺炎の本にも特定の食事が関係する根拠はないと書いはており、

以前参加した助産師向けのセミナーでは『乳腺炎の患者さんに何食べたの?!なんて聞いてない?!それはダメですよ!』と指導されたりもしていました。


乳腺炎予防のために食事を制限する必要はない、というのが現在のスタンダードになっています。




【母乳が不味くなるから、和食を食べましょう!は本当?】


チョコレートを食べたらチョコレート味の母乳になる・・・ということはなく、基本的には食べたもので母乳の味が大きく変わるということはありません。


匂いは変わる可能性がありますが、ちょっと面白い海外の研究ではにんにくカプセルを飲んだママの母乳を好んだという報告もあるくらいなので、刺激っぽいものはダメ!悪!ってわけでもないんですね。



ちなみに以前、これをお話すると「乳腺炎になった時に母乳がしょっぱかった。食事が悪かったからしょっぱくなってしまい子どもが飲まなくなって、乳腺炎になったと言われた」とおっしゃるママさんがいたのですが、


これは乳腺炎になって母乳がおっぱいの中に長時間とどまったことによってナトリウムが上がりしょっぱくなったものです。


しょっぱくなったから乳腺炎になったのではなく、乳腺炎になったからしょっぱくなったというのが正しいですよ。




【ママの食事が悪いから、赤ちゃんに湿疹がでる!?】


これも、そんなことはありません。


赤ちゃんに湿疹があると『ママが甘いものを食べたからだ!』『脂肪分の摂りすぎた!粗食にしなさい』と言われたという話を耳にしますが、これも根拠がないお話なので心配しないでくださいね。




【授乳中に牛乳を飲むのは、アレルギー予防のために控えたほうがいい?!】


授乳中に牛乳を摂らないようにしていたママの母乳には、赤ちゃんを守ってくれるカゼイン特異的IgA抗体が少ないことがわかっています。


牛乳を控えることはかえって、ミルクアレルギーを起こしやすい状態にしてしまうということです。


だから、アレルギー予防のために牛乳を控える必要は全くありません。牛乳や牛乳が入った製品は適度に摂る方が良いといえるでしょう。





【まとめ】

インターネット上に書いてある「ママの食事と母乳の関係」は、根拠がない話や間違った話がたくさんありますが、基本的には食べてはいけないものはありません。


そもそも妊娠中~授乳中は様々な食べ物を幅広く摂取することが大切です。



特定の食べ物を除去したり、過度に食べまくったりすることは避けた方がよく、偏りなく食べることがママと赤ちゃん両方の健康に繋がりますよ。



ちなみに私は、大好きなスタバのフラペチーノを飲んで息抜きをすることが、育児の合間の楽しみのひとつでした(笑)


甘いものだって過度でなければ食べたっていいんです♪食べ物をガマンして、そこでストレスをためなくてOKですよ!


美味しいものを楽しく食べて、ハッピーな授乳生活を送ってくださいね♡




【参考】

・母乳育児支援事業基準 乳腺炎2015:日本助産師会

・個別性を大切にした母乳育児:水野克己

・これでナットク母乳育児支援セミナー2019:水野克己

助産院Hug

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