フッ素は危険なの?のご質問にお答えします
「フッ素って体に悪いんでしょ?」
と心配されるママさんのお声を聞きますので
今回は、
そのお話を詳しくしていきますね!
【フッ素は体に必要な元素のひとつ】
フッ素は海水やお茶、お肉やお魚などの食べ物にも含まれているもので、わたしたちの歯や骨、血液中にも含まれています。
そして適量のフッ素は、むし歯に強い歯にするだけではなく正常な骨格を維持する働きが
あるとされています。
たとえば、アメリカの化学評価委員会では成人の場合は1日3mgの摂取が推奨されています。
フッ素は摂ってはいけないものではなく、適量ならば体に必要なもののひとつなんですね。
【フッ素を使ったむし歯予防の歴史】
フッ素利用の歴史って古いんです!これが重要なポイントのひとつなので、まずは簡単に説明していきますね。
フッ素入りの歯みがき粉は、欧米の先進諸国では1970年から1980年にかけて普及しました。
1990年には市場シェアが90%になったという長い歴史があるものなんです。
ちなみに日本は普及が遅く2010年に90%になりました。
そのためフッ素に対して、まだなじみが薄いといえます。
また
1977年の報告では67か国でフッ素をむし歯予防に使っており、そのうち40か国では
水道水にフッ素を入れています。
そして世界77か国もの歯科医師会がフッ素の利用を肯定していて、8か国では立法化がされています。
このように
フッ素には半世紀ほどの歴史があり、世界中で利用されてきているんです。
【歴史があるということは、データがたくさんある】
これが大切なポイントです。
研究論文というのは、同じ結果ばかりがでるわけではないんです。
研究によって真逆の結果がでることもあります。
フッ素の安全性に関しては、体に悪いよという報告もあればそんなことはないよという報告もあり。歴史が長く、世界中で使われてきたからこそ、色んな結果の膨大なデータが出てきているわけです。
こうしたたくさんのデータがあることで
本当に安全なの?
大丈夫なの??
ということを、様々な視点から検討することができます。
例えば以前、
フッ素で癌が増えたとか、発達障害が増えたという報告がありましたが、その後
研究結果の見直しがされ現在では関係がないという結論がでています。
このように、たくさんの人に使われてきた歴史があるということは、安全性を正しく証明するために重要なんです。
インターネットの普及で
今ってネット検索をすれば、情報が簡単に手に入りますよね。
たくさんある情報の中から
なにが本当なの?
どれが正しいの?
ってわからなくなっちゃう!
という話をよく聞きます。
私は基本的には
「より大きい団体が示している情報」
「最新の情報」
が良いと思っています。
なぜ
大きい団体が信頼できるかというと、様々なデータを基に多くの人たちによって議論、検討されて導き出された結果だからです。
具体的には
1人の医師の意見よりは、大学病院など大きい病院全体としての意見。学会や厚生労働省、WHOの意見。というような順です。
前述のように
フッ素については使われてきた歴史が長いぶん、膨大なデータが出ています。
そしてフッ素の安全性と有効性についても、たくさん議論がされてきました。
フッ素を摂りすぎると、斑状歯や骨硬化症などがおこるということもわかっています。
そういった全てのデータを分析し検討した結果が、WHOや世界各国の学会が示している
適正量を使えば安全である。
というもので、その安全に使用できる量が日本口腔衛生学会が示したものや、欧米など各国で使用されているフッ素の量となっているわけです。
ちなみに日本国内では
厚生労働省、日本歯科医学会、日本小児歯科学会、日本口腔衛生学会等の専門機関や専門団体がフッ素の有効性と安全性を認めており積極的な利用を推奨しています。
ということで!
今回は「フッ素って危険なの?」というご質問にお答えさせていただきました。
参考になれば嬉しいです。
【参考】
・フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方:日本口腔衛生学会 フッ化物応用委員会(2018)
・新しいむし歯予防法 ―濃度の高いフッ化物配合薬用歯みがき剤の使用について―:日本小児歯科学会 (2018)
・フッ化物の局所応用についての考え方:日本小児歯科学会(2011)
・う蝕予防のための日本人におけるフッ化物摂取基準(案)の作成:日本口腔衛生学会 フッ化物応用委員会(2008)
・う蝕予防プログラムのためのフッ化物応用に対する見解:日本口腔衛生学会 フッ素研究部会(1982)
・福島県フッ化物応用マニュアル(第2版)
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