くる病に気をつけて!母乳育児中に太陽の光をあびるのが大切なワケ
『くる病』って知っていますか?
母乳育ちの赤ちゃんに近年、この『くる病』が増えているんです。
今回は
この病気を予防するお話をさせていただきます。
【くる病とは?】
ビタミンDの不足が原因でおこる病気です。
ビタミンDはカルシウムを再吸収して骨を作ったり、成長させるのをうながしてくれる働きがあります♪
そのためこれが不足すると、骨がやわらかくなってしまいなんと変形しちゃうんです!!
じゃあビタミンDを摂ればいいじゃん。
なんでこの病気が増えてるの??
って思いますよね。
それには現代らしい、こんな理由があるんです。
実は、
ビタミンDは食事でも摂れますが、主に太陽に当たることでつくられるビタミンなんです!
今って昔にくらべて・・・
日焼け止めバッチリ!!
さらに手袋と日傘まで!!とか
公園よりも、
支援センターやショッピングモールなどの室内で遊ぶ!!
ということがありますよね。
ビタミンDはSPF8以上の日焼け止めを塗っていると、太陽を浴びても作ることができなくなってしまいます。
さらに
ビタミンDを多く含む食べ物は、魚ときのこです。
日本人の魚摂取量は年々減ってきており、今では肉の方が上回っています。
その結果、ママのビタミンDが不足することで母乳中のビタミンDも減ってしまい、赤ちゃんがビタミンD欠乏になってしまうことがあるんです。
これが
近年『くる病』が増えている原因だと考えられています。
【ビタミンDを摂るポイントは?】
①食事から摂る
授乳中のビタミンDの必要量は1日8μg。
ビタミンDが多く含まれいる食べ物は、魚ときのこです。
とくにオススメなのは魚で、鮭なら切り身の3分の1、さんまなら1匹の半分
で1日の必要量を摂ることができます。
一方、きのこだと・・・
・生しいたけ 中20個
・干ししいたけ 大12個
・エリンギ 中8本
・しめじ 3パック弱
はい!!
きのこだけで1日必要量を摂るのは無理ですね(笑)
なのでやっぱりオススメは魚です。
ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、多く食べれば貯めておくことができるのがポイント!
例えば鮭なら切り身1枚を食べれば3日分のビタミンDをゲットできるので、そこにきのこをメニューをこまめに取り入れることでうまく摂っていくと良いでしょう!
②日光にあたる
食べ物だけでは必要量を摂ることは難しいので、太陽にもあたるようにしましょう。
皮膚がんのリスクを考えると日焼けをするほどの日光浴は避けた方がいいと思いますが、皮膚がん自体は白人に多く欧米人とくらべると黄色人種の日本人には少ないため、ちょっと日に当たるくらいなら過度にこわがらなくても良いかと思います。
日焼けしない程度に短時間でいいので、ママも赤ちゃんも一緒にお散歩で日光浴をしてみてくださいね♪
③地域と季節によっては少し長めに日光浴&魚をしましょう!
ビタミンDは夏&暖かい地方の方が作られやすく、冬&寒い地方では作るのに時間がかかってしまいます。
たとえば7月の沖縄では、両手の甲と顔だけの日光浴をたった3分するだけで1日分のビタミンDを作ることができますが、
12月の北海道では15時の日差しを40時間浴びても、1日分にもならず!!
12時の日差しでも1時間以上かかってしまうんです。
札幌・つくば・那覇の三都市で5.5㎍を作るのに必要な目安をのせておきますが・・・
7月の12時だと・・・
那覇 2.9分
つくば 3.5分
札幌 4.6分
どこも大体同じなんですが
12月の12時だとかなり差があって・・・
那覇 7.5分
つくば 22分
札幌 76分
札幌はなんと、那覇の10倍の時間が必要に‥‥!!
寒い地方にお住まいの方は、特に意識してビタミンDを得るようにするのがオススメ。冬場は魚ときのこをよく食べ、ちょっと長めにお散歩するようこころがけるとよいでしょう♪
【サプリはあり?】
私が関東に住んでいて冬場に採血でビタミンDを測定した時は、夕食にお魚を出すのは週2日ほど、顔にだけは日焼け止めを塗って外出する日々だったのですがサプリメントを飲んでも基準値ギリギリでした。
なので、お食事や外出で難しい場合はサプリメントで摂るのも良いと思います。
ただ、過剰摂取には気をつけましょう。
ビタミンDは多くとりすぎると体に貯まっていってしまうため、ママは高カルシウム血症や腎障害に。赤ちゃんは成長遅延がおこってしまいます。
ママの場合、
成人の上限は日光浴、食事ふくめて1日100μg。
一方、授乳中の必要量は1日8μgなので、よっぽど摂りまくらなければ過剰摂取にはならないはずではあるのですが、サプリメントは目安量を守って飲むようにしましょう。
ビタミンDは赤ちゃんのために大切なビタミン!
ちなみにミルクの中にはビタミンDが入っているので、ミルク育ちの赤ちゃんの場合は心配しなくて大丈夫です。
母乳ママはビタミンDを上手に取り入れて、くる病を予防するようこころがけてみてくださいね。
【参考】
・第37回母乳育児支援学習会 東京,2015
・個別性を大切にした母乳育児 東京,2019
・母乳育児支援セミナー 東京,2019
・お母さんと赤ちゃんの食事 へるす出版
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