食物アレルギーを防ぐためにできる、6つのこと

こんにちは!

助産師さきです。


今回は、食物アレルギーのお話です。

実はうちの娘は卵、牛乳、ごま、キウイの4つものアレルギー持ち!(体調が良ければふつうに食べられている状況です)


アレルギーの赤ちゃんがひとりでも減ってほしいと願っているので

ちょっと長くなりますが、お読みいただけたら嬉しいです。


まずは、アレルギーの考え方からお話していきますね。



【どうしてアレルギーになっちゃうの?】


以前は、食物アレルギーは、「原因になる食べ物を食べる」ことによっておこると考えられてきました。


そのため昔は「アレルギーが心配な物は、食べるのを遅らせても良いでしょう」と言われていたのですが、食べないように避けてもアレルギーになることがわかり


「あれ??アレルギーの原因って違うんじゃない??」

ということに。



そんな中、

近年、正しい原因がわかってきました。


それが、

「皮膚から先に食べ物成分が入ることでアレルギーがおこる」

というものなんです!



これは、どういうことかと

ザックリと説明すると・・・



食べたことがない食べ物が

皮膚から入ってきてしまうと体がビックリして、


『なんか変なものが入ってきたぞー!!これは敵だー!攻撃しろー!』という反応をおこしてしまいます。



この反応がおこり一度敵だと覚えられてしまうと、その食べ物を食べたときも『敵だー!!』と思われてしまって、攻撃されてしまうようになる・・・というようなイメージです。(わかりやすいように、あくまでイメージでお話させていただきました。あしからず!)



これが食物アレルギーの原因のひとつです。


特にアレルギーの原因として多いたまごは、ふだんの食事によく使われる食材のためその成分がおうちの中に漂いやすく、赤ちゃんの皮膚から入るリスクも高いと考えられます。


【「アレルギーが心配な食べものは、離乳食を遅らせてもいいですよ」は間違い】


以前はこれが一般的な考えだったので、今でも離乳食や育児の本にこう書いてあるものを見かけます。


しかし、

食べるのを遅らせてしまうと、先に皮膚から入ってしまうリスクを上げることになってしまうので、むしろアレルギーになるリスクを高くしてしまいます。



以上をふまえた上で、ママができるアレルギーの予防の6つご紹介しますね。


①離乳食は遅らせない

皮膚から入る前に口から入れる!つまり食べることが重要です。


食べてオッケーな時期になったら、少しずつ食べさせていきましょう!


ただし、離乳食がはじまると下痢をしてしまうことがよくあります。早くあげなきゃ!と焦る必要はないので、お腹がゆるい間は新しいものは試さずに、体調が良い時にあげるようにしてくださいね。


また、体の湿疹が酷い場合、卵などアレルギーをおこしやすい食べ物のあげはじめは医師に相談しましょう。


無理せずいきましょう。



②かといって、早くあげすぎない!


「皮膚から入る前に食べさせればいいんでしょ?!」


ということで、

できるだけ早く食べさせたくなっちゃうかもしれませんが、早すぎもNG。


厚生労働省から出ているガイドでは、離乳食の始まりは生後5~6か月とされています。早すぎず、遅すぎず。適度な時期に食べさせていきましょう。



③スキンケアをがんばる!


肌が乾燥していると、皮膚のバリア機能が弱くなりそこから食べ物成分が入り込みやすくなってしまいます。


赤ちゃんのお肌は産まれてすぐは皮脂が多いのですが、3ヶ月頃からは逆に乾燥しやすくなるため毎日の保湿で皮膚のバリア機能を高めることが大切です!


1日1回よりは2回の方が効果が高いとされています。朝と夜のお風呂あがりの後に塗るのが良いでしょう。



④肌荒れはスグ治す!


赤ちゃんって案外、肌トラブルが多いもの。

そんな時は迷わず小児科や皮膚科に行きましょう。


病院では、症状に応じてステロイドが処方されることがあります。ステロイドに抵抗感があるママさんがたまにいらっしゃいますが、アレルギー予防のためにはなるべく早くお肌を良い状態にしてあげたいもの。必要な時はしっかり使ってあげましょう。


ステロイドは量が大切です。

湿疹が見た目には良くなったからといって早くやめすぎると、すぐに再発してしまうことがあります。

自己判断はせずに塗る時期もやめる時期も、病院の先生に判断してもらってくださいね。




⑤離乳食の前に、口のまわりをワセリン保護!


口の周りはヨダレや離乳食かぶれをおこしやすいです。

離乳食を食べている時に、口の周りについた食べものが皮膚から入ってしまうこともあるので、離乳食の前には口のまわりにワセリンを塗って保護をするようにすると良いでしょう。



⑥食物オイルは塗らない


保湿やベビーマッサージなどで使うオイルは、成分に気をつけましょう。

ピーナッツオイル、アーモンドオイルが原因でアレルギーを発症した報告があります。


食物が原材料に入っているものは避けた方が無難かと思います。



【ママの除去食はしないでオッケー】


妊娠中や授乳中にママがアレルギー食品を食べないようにすると、アレルギー予防になる!という話をネットで見ることがありますが、様々な研究結果を総合的に見た結果、現在では『やる価値はない』ということになっています。


これは、制限をすることによる弊害の方が大きいためで、特別に医師から指示がないかぎりは食事制限はしないようにしましょう。



【治療法ではなく、予防法】


今回の記事に書いたことは、あくまで「予防法」です。

すでにアレルギーを診断されている場合の離乳食の開始時期は、医師の指示にしたがってくださいね!



【まとめ】

・離乳食は遅らせない

・といって、早くあげすぎない

・スキンケアをする

・肌荒れは早く治す

・口周りはワセリン保湿

・食物オイルは塗らない


これが、食物アレルギーをできるだけ防ぐためにできる6つのことです。


とはいえ、うちの娘は4つのアレルギー(卵、牛乳、ごま、キウイ)です。必ず防げるわけではありませんが、できることをやっていきましょう。


この記事を更新している現在は、2021年4月です。

アレルギー予防の考えは研究が進むにつれてどんどん変わっていくので、今読んでくださった方も何年か経って次のお子さんが生まれた時には、そのときの最新情報を取り入れるようにしてみてくださいね!


アレルギーに関することってネット上には古い知識や間違った情報が書かれていることも珍しくないので、正しい知識が広まることでアレルギーの子がひとりでも多く減ることを願っています。



参考

・食物アレルギーガイドライン

・鶏卵アレルギー発症予防に関する提言(日本小児アレルギー学会)

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