離乳食はいつから始める?開始時期.サイン.タイミングの目安


今回は離乳食を始める時期についてです。



厚生労働省のガイドラインでは、離乳食を始める時期は5〜6ヶ月となっていますが、



5ヶ月?

6ヶ月?

間をとって5ヶ月半?!(笑)



と、迷われるご相談をよく聞きます。



ということで今回は、その赤ちゃんによっていつから始めるのが良いの?を考えるポイントをお話させていただきますね。





【一般的な離乳食を始めるサイン】


厚生労働省のガイドの目安はこちらです。



・首がすわる


・寝返りができる


・5秒以上座れる


・口に物を入れると舌で押し出す哺乳反射というものが消えてきて、スプーンを口に入れても舌で押し出すことが少なくなっている


・食べ物に興味を示す




他に、離乳食の本ではさらにこのように書かれていたりします。



・よだれが増える


・大人が食べていると興味を示す


・授乳などの生活リズムが整ってきた


・体調がよく、機嫌がよい




たしかにこれらの条件は大切でしょう。

しかし離乳食の目的は、成長とともに母乳やミルクだけでは不足する栄養を

食事から摂りましょうというもの。



次は、栄養の観点からも、離乳食を始める時期を考えてみたいと思います。







【貧血に注意】


たくさんある栄養素の中で、離乳食時期の赤ちゃんに特に大切な栄養のひとつが「鉄」です。


なぜ大切かというと、鉄が足りないことで貧血になると発達が遅れてしまうことがあるためです。


赤ちゃんは主に、妊娠後期にママからもらって鉄を体の中に貯蔵して産まれてきます(貯蔵鉄)。

これを少しずつ使っていくのですが、生後半年ほどでこの貯めた鉄を使い切ってしまうため、食事から摂ることが必要になってきます。




厚生労働省の離乳の支援ガイドでは「母乳育児の場合は鉄欠乏を生じやすいとの報告やビタミンD欠乏の指摘もあることから、適切な時期に離乳食を始めましょう」と書いてあります。


これは、母乳中の鉄分は吸収率が良いものの、量が少ないためと考えられます。



さらに、日本の一般的な離乳食の進め方は、鉄分が摂りにくいということがあります。




①お肉の食べ始めが遅い


鉄分には吸収が良いヘム鉄と、吸収がイマイチな非ヘム鉄があります。


吸収が良いヘム鉄が摂れるのは、主にお肉です!

WHOガイドラインでは6ヶ月からお肉がOK。アメリカで働いていた小児科医に聞いたのですが、アメリカでは6ヶ月から赤身肉を食べさせるそうです。



一方、日本は最初は10倍がゆから始めて、その次は野菜・・・というように食材の増やし方がゆっくりです。赤身肉を食べ始めるのはずっと先になります。


日本の離乳食の進め方に従うと、離乳食初期の鉄補給はほうれん草などの野菜がメインになりますが、野菜は非ヘム鉄なので吸収率が低いものになります。




②離乳食の量が少ない


WHOガイドラインでは6ヶ月で3回食、子どもの状況によってはプラス2回の軽食もオッケーで1日合計3〜5食となっています。


しかし日本では3回食になるのは遅く、9ヶ月です。


食べる量が少ないということは、食事から鉄分を摂れる量が少なくなりやすいといえるでしょう。




③早産や低出生体重児の赤ちゃんは鉄のストックが少ないかもしれない


日本は約20人に1人の赤ちゃんが、早産で産まれます。

また、低出生体重児という2500g未満で産まれる赤ちゃんは約10人に1人の割合です。


赤ちゃんの体に蓄えられる栄養の多くは妊娠の後期にママから貰うので、早く産まれた赤ちゃんは体にストックしている鉄が少ないんです。


早産じゃなくて、正期産(妊娠37週)に入ったばかりで体重が小さい赤ちゃんも、同様の可能性があります。





【実際に貧血の子の割合は?】


生後6ヶ月~1歳半の子の4%が鉄欠乏性貧血だったという報告があります。

これは25人に1人は鉄不足ということです。





離乳食って始めてすぐに、パクパク食べてくれる子ばかりではありません。



うちの息子は、離乳食を始めたものの1口食べて拒否!!

全然食べてくれずに悩んだ時期もありました(笑)


やっと食べるようになったのは

離乳食を始めて1ヶ月が経った頃です。



そんなかんじで

離乳食って食べてくれないこともあるし、食べるものが変わるので下痢をしてしまうこともあります。

最初は思うように進まないことが結構あるんですね。


(なので、もし食べてくれなくても落ち込まないでくださいね!コツコツ続けていきましょう)



そのため、ママからもらった鉄分が使い果たされる6ヶ月ごろや、貧血になりやすい9ヶ月にむけて離乳食から鉄分をとれるようにしておきたいと思うと、


「生後〇か月で始めよう!」とあらかじめ決めておくのではなく、


厚生労働省のガイドにある「生後5~6か月」の中で、離乳食を始める目安のサインが出てきたらそのタイミングで初めてみるのが子どもの合った始め方といえるかもしれません。





【鉄分を摂る時の注意】


①ママが鉄分をたくさん摂っても、母乳の鉄の量は変りません。

ママが鉄分の多い食事を摂るのではなく、赤ちゃんに食べさせるようにしましょう!



②鉄分が多い食材としてレバーがありますが、レバーに多く含まれるビタミンAは摂りすぎるとよくないんです。


レバーは程よく。食べさせまくりはダメですよ!

子どもの栄養の専門家によると、週に1度程度を目安にすると良いとのことです。





離乳食を始めるサインがなかなか出てこなかったり、うちのムスコのように食べさせたくても拒否!下痢!なんてこともあります。


早くあげなきゃ!と焦らずに、赤ちゃんの様子に合わせて進めてみてくださいね。



【参考】

・乳幼児における鉄欠乏性貧血の有病率(日本公衆衛生雑誌)

・授乳・離乳の支援ガイド 2019

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